百物語に恨みが出る


百物語の作法はいろいろあるが、
基本としては、
話をする部屋は真っ暗にして、
百の灯心を入れたあんどんを隣りの部屋に置き、
一つの話が終わる毎に、灯心を消して行き、
最後の話が終わると、当然ながら
真っ暗闇となり、そこに物の怪が現れるというもの。

同じく江戸時代に活躍した井原西鶴も
「百物語に恨みが出る」
という小説を著している。

この小説をかいつまんで紹介すると、

百物語を行なっていたのは遊女たちで、
なかなか肝が据(す)わっているのか、
性根が入らずに、ただの遊興でやっているせいか、
百物語の物語を終えて真っ暗闇になっても
物の怪があらわれない。

遊女たちは、退屈してしまい、
誰が話すともなく真っ暗な中で、
だました男たちのことを話していた。
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